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令和2年度プロダクトデザイナー派遣事業

株式会社岡田建具製作所

卓上パーティションシステム 「パテコ(pateco)」

代表取締役 小泉 雅博さん、技術リーダー 長谷川 徳威さん

受注に頼らない商品開発と販路開拓を目指して

「ものを作る技術も最新の加工機械もあるのに、オリジナル商品が作れていない」。創業50年以上の岡田建具製作所が、プロダクトデザインに本気で取り組もうと決めたのは、小泉雅博社長が抱いていたこんな歯がゆい思いからでした。「当社は住宅用建具や造作家具の製作・施工を長年やってきていますが、売上のほぼ全てが既存取引先からの受注生産なんです。将来を見据えて新商品を開発し、販路を開拓しなければという危機感がありました」。

建具業界は、住宅の建築がピークを迎える12~3月頃が繁忙期。閑散期には毎年のように商品作りに着手するものの、完成に近づく頃には繁忙期に入ってしまい試作品止まり、完成しても販路の確保に至らず…を繰り返してきたそうです。そこで、会社に足りていない「企画・製造から販売までやり遂げること」と「デザイン力」の2点を補うため、外部の力を借りたいと、この事業に応募しました。

最大の目的は、良い商品作りを目指して専門家の方から意見をもらうことですが、社長にはもう一つの思惑がありました。「多くの社員に参加してもらい、ものづくり本来の楽しさを感じてもらいたい」ということ。みんなものづくりが好きで入社してくるのに、仕事は機械化が進み多くが分業。ものづくりの感覚や醍醐味が味わえていないのでは、という点が気がかりだったのです。

代表取締役 小泉雅博さん

技術リーダー
長谷川徳威さん

建具の技術を活かし社会に役立つ製品を

プロジェクトが始まる前から、社長と技術リーダーの長谷川徳威さんで何を作るか話し合い、コロナ禍でも社会貢献できるものをと、飛沫拡散防止のためのパーティションに決めました。ただ、すでに多くの業者が製造し始めていたため、課題は他社との差別化。ウィズコロナの時代が来ることを想定し、何年も使えるよう丈夫でおしゃれなデザインにしようとインターネットなどでリサーチしたところ、イメージと競合しそうな製品は見当たりません。高橋先生とも意見が一致し、試作に取り掛かりました。

長谷川さんは「普通、パーティションは樹脂板を左右から支柱などで支えていなければダメだと思いますよね。私もそうでした。ところが高橋先生からは、『支柱を片方外して1本だけにしてみたらどう?』『全体的に丸みを持たせよう』と、我々が思いつかないようなアイデアをいただいて」と、温かみのあるシンプルなデザインが生まれていった経過を振り返ります。当初は高橋先生も含め3人だけだったプロジェクトメンバーに、途中からは若手社員も数名が加わり、調整に時間がかかっていた強度や安定性の問題もクリア。「製品の形状はシンプルですが、支柱と樹脂板のジョイント部分には若手社員たちの細かなアイデアをいくつも取り入れています」と、技術部門をまとめる長谷川さんにとっても嬉しい成果となりました。

社員の意欲を後押しする環境を整えたい

多くの試作の末に完成した卓上パーティションシステム「パテコ(pateco)」は、角のない丸みを帯びた木製支柱と樹脂板のシンプルな構成で、どんな施設にも馴染む柔らかなデザインです。見た目の良さだけでなく、「金物は一切使わない」「メンテナンスが楽」「設置したい場所へいつでも簡単に動かせる」といったこだわりを全て実現し、対面と隣席、どちらの仕切りにも使える優れた製品となりました。製品完成直後には、専門家の助言を受けて恵庭市「黄金ふれあいセンター」へ寄贈したことで、現地や新聞記事を見た方からの注文が舞い込み、恵庭市のふるさと納税の返礼品にも選定されるなど、今回のプロジェクトは課題となっていた販路の拡大でも、大きなきっかけを与えてくれました。製造の体制が整い次第、インターネット通販サイトでの販売や、次の新商品開発にも本腰を入れていく予定です。

小泉社長は、今回のプロジェクト参加で得た様々な成果の中でも、特に大きかったのは社員の意識の変化だと言います。「今まではどちらかというと、商品開発は“やらないといけない”という受け身な姿勢が見えましたが、このプロジェクトに社員自ら『参加したい』と言ってくれたことは、本当に嬉しかったですね」と振り返ります。

商品のネーミングやロゴをデザインしたキュートな焼印も、社員とその家族から応募を募って決めたもので、まさに社員みんなで作り上げた製品。新商品が一つできた、というだけでなく、会社全体の士気が高まるきっかけとなりました。現在は、希望する社員が工場の機械や資材を使って商品開発できるよう、副業ができる環境を整えている真っ最中。一人ひとりがものづくりに夢中になれるような組織へと進化しているようです。

厚み部分を活かしたカラーバリエーションやキュートなロゴなど、細部にもこだわり作り上げました。

株式会社 岡田建具製作所

1967(昭和42)年創業。住宅用の木製建具やオーダー家具を、設計から製造、取付まで行っています。良質な北海道産木材や天然の植物油を原料とした自然塗料などを使い、環境に優しい製品づくりに力を入れているのも特徴。扱いの難しい無垢材も若手社員の知恵と最新の機械設備で、高品質・短納期を実現しています。

住所 恵庭市黄金南1丁目313番地40
電話 0123-32-2805
営業時間 8:00~17:30
E-mail pateco@okadatategu.com
URL http://www.okadatategu.com/