札幌市エレクトロニクスセンター
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20年のあゆみ
イノベーションセンター
札幌市エレクトロニクスセンター
20年のあゆみ
設立〜1992年 1993年〜1998年 1999年〜2001年 2002年〜2006年 年表 トップへ

1993年〜1998年
成長期:交流と連携、プロジェクト事業の推進
 情報関連産業が急成長を遂げ、企業の経営基盤が整ってきたことや、技術者、企業の支援ニーズの多様化が顕著になったことから、センターの運営方針も見直しが必要となり、1993年、それまでの「育成」を中心としたものから、「交流と連携」を中心としたものへ、運営方針の大きな転換が図られました。
  技術やその利活用面で重要度の高いテーマを「プロジェクト事業」に位置付け、研究開発支援、人材養成、広報普及などの事業を有機的に展開する方針により、インターネット事業、インテリジェントパッド支援事業、サッポロハイパーラボ事業、デジタル工房の整備、ハイパー風土記オロパスの制作等、数多くの事業が精力的に展開されました。
 事業を通じて"人や企業のネットワーク"が形成され、そのネットワークが有効に機能しながら拡大していったのがこの時期の特徴であり、この人的ネットワークは、後に「サッポロバレー」と呼ばれる企業集積のベースにもなっていきました。

インターネット支援事業
インターネット支援事業 当時、北海道には、ネットワーク技術に関する研究と普及を目指す産学連携組織(のちの「北海道地域ネットワーク協議会(NORTH)」)が存在し、日本におけるインターネット普及の礎となった「WIDEプロジェクト」への参画を検討するなど、活発に活動を展開していました。
 こうした動きを受け、札幌市エレクトロニクスセンターはインターネット技術の研究と普及を「プロジェクト事業」の一つに位置づけ、センター施設のリニューアルに際し、インターネット利用回線やUNIXサーバーの設置を決め、1993年5月、WIDEプロジェクトの札幌NOC(Network Operation Center)を運用し、ドメイン名 SEC.OR.JP でインターネット接続を開始しました。  地元企業とは専用回線、公衆回線、テクノパーク内の企業には光ファイバーLAN等でつながり、北海道大学とは専用回線で結ばれ、さらに、それらのネットワークは慶応大学を通じて世界へとつながるルートができ、これにより、札幌の企業もインターネットを利用できる環境が整ったのです。
 1993年6月にはNORTH協議会が正式に発足し(事務局は財団内)、NORTHインターネット・シンポジウムの開催など、協議会の活動は、商用インターネットプロバイダの誕生等、北海道における地域インターネット普及の原動力となりました。
 NORTH協議会には当時、30を超える地元企業や大学が参加していましたが、メンバーは人的なつながりが強く、こうした人のつながりをベースに、参加メンバーの所属組織を越えた運営が行われていました。この人的なネットワークが、のちの「ハイパー風土記 札幌」や「ネットワーク コミュニティ フォーラム NCF」の設立にも影響を与えていきました。
 このように、産学官が一体となったコミュニティの存在や、市役所や財団が地域ネットワークの構築・運用を支援する例は珍しく、先進的なケースとして、全国の注目を集めました。
 また、同時期には、全国各地に同様の地域ネットワーク組織が生まれ、それらの間で連携して、NTTとの共同で、全国規模の高速ネットワークの利用プロジェクトとなる「マルチメディア通信の共同利用実験」などを実施し、インターネットの利活用を促進しました。

インテリジェントパッド(IntelligentPad)支援事業
インテリジェントパッド(IntelligentPad)」は、北海道大学の田中 譲 教授が考案した技術で、あたかも紙(Pad)を貼り合わせたり、ブロックを積んで組み合わせるようにして、新しいソフトウェアを開発したり、交換ができるシステム。
 プログラミングが容易なだけでなく、プログラムを分解して差し替えたり、追加・削除などのカスタマイズも容易なほか、パッドにデータの著作権情報を埋め込んでライセンス管理を行ったり、パッドで作った作品を簡単に公開・流通できるなど、極めて有用性の高い技術です。
 (財)札幌エレクトロニクスセンターは、このIntelligentPad技術の実用化・普及を「プロジェクト事業」の一つに位置付け、リファレンス・システムの開発やマルチ・プラットフォームに対応したシステムの検討などを支援し、インテリジェントパッド標準仕様書の発行、広報・普及、研究を目的に1993年7月に発足したインテリジェントパッドコンソーシアム(IntelligentPad Consortium)(IPC)の事務局を務めました。
 インテリジェントパッドは、学校教育における仮想実験やプログラミング実習、マルチメディア・データベース(京都デジタルアーカイブ THE MIYAKO)等に採用され、コンソーシアムのメンバーにより、実用化に向けた取り組みが進められています。
 さらに、インテリジェントパッドの存在は、世界的なメディア研究家であるテッド・ネルソン氏を札幌に招聘し、彼の研究を支援する「サッポロ ハイパー ラボ事業」のきっかけを作ることにもなりました。

サッポロハイパーラボ事業
 「ハイパーテキスト」の構想者であり、世界的に著名なメディア研究家、テッド・ネルソン(Ted Nelson)氏。インテリジェントパッドに高い関心を寄せていた同氏を客員研究員として招聘し、財団は1年半にわたって、「ネットワーク上におけるソフトウェア流通のためのアーキテクチャの設計」をテーマとした共同研究活動を支援しました。
 この研究を支援するため、1994年10月、専用の研究スペースとして「サッポロ ハイパー ラボ Sapporo Hyper Lab.」を設立。 地場のIT企業も若手の社員を派遣し、創造的な環境の中で共同研究が行われ、その研究成果は、インテリジェントパッドの普及、流通の促進に大きな影響を与えただけでなく、テッド・ネルソン氏が構想する「ハイパーテキスト」のさらなる進化を生む原動力にもなりました。

デジタル工房事業
デジタル工房事業 発展が予想されるマルチメディア関連ビジネスの振興を目的に、1994年11月、札幌市エレクトロニクスセンター内に「マルチメディア・オーサリング・スタジオ」 MAS を開設し、1996年5月には、通商産業省(当時)の支援を受け、ノンリニア編集、CDオーサリングなど最新鋭のオーサリングが可能な機器・設備を備えた「デジタル工房」を開設しました。
 デジタル工房は、WWWオーサリング、デジタル・ビデオ・オーサリング、デジタル印刷、サウンド・レコーディング、CG制作レコーディング、CDプリ・マスタリング、プレゼンテーションの各システムを備え、ハイビジョンを全工程をデジタル方式で処理できる全国初の公的施設(当時)となりました。
 当センターでは、施設の利用開放だけでなく、コンテンツ関連のセミナーもあわせて実施した結果、コンピュータ・グラフィックス(CG)、映像編集、音楽制作等を手がける企業やクリエイター、印刷会社等を中心に活発に利用されました。
 デジタル工房は現在、クリエイティブ・ビジネスの振興拠点として札幌市が2001年に設立したインタークロス・クリエイティブ・センター(ICC)に移設され、地元クリエイター等に活用されています。

ハイパー風土記札幌(OROPPAS)の制作
ハイパー風土記札幌(OROPPAS)
の制作 インターネットの札幌NOC(Network Operation Center)が設置され、インターネットへの接続環境が整ったことを受け、ネット上で発信するコンテンツについても検討が必要になりました。
 そこで、通商産業省(当時)の補助事業を活用し、北海道の歴史、文化、生活等、郷土の情報をマルチメディア技術を使って表現し、マルチメディア・データベースを構築する事業(ハイパー風土記 札幌)に、初めて、HTMLによるWorld Wide Webの開発プロジェクトとして取り組む事とし、1994年8月、(財)札幌エレクトロニクスセンターが事務局となって「ハイパー風土記 札幌 運営委員会」が組織されました。
 このWebコンテンツの制作は、市民、企業、学校等に参加を呼びかけ、写真素材の提供だけでなく、参加者自身がHTMLファイルを制作する草の根の方法で行われ、最終的に、400人以上の市民、学生、生徒、写真家などが参加し、ファイル数15,300、ページ数にして4,000頁を超える、巨大な地域マルチメディア・データベースが完成し、CD-ROM化して配布されました。 その後も、ネットワーク上ではコンテンツが追加され、「仮想の町」は成長し続けました。
 このWebデータベースは、"SAPPORO"を逆読みした"OROPPAS"(オロパス)という愛称で、「Intercity OROPPAS」と呼ばれ、それは「ネットワーク上の開拓史」の意味を持ち、ネット上に新しい仮想のWeb都市アーカイブを作り、実在する札幌の都市機能との相互作用によって、コミュニケーションの拡大、ひいては地域活性化につなげようという想いが込められた画期的な試みで、1996年の公共ホームページ・コンクールで「コミュニティ奨励賞」の表彰を受けました。
   
さっぽろ産業振興財団
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